(とうしほうじんのかぜいのとくれい)
不動産投資信託 の 投資法人 において、 法人税 を事実上ほぼ 免除 するという 税法上 の特例のこと。根拠条文は租税特別措置法第67条の15である。
この特例では、一定の条件を満たす 投資法人 が、税引前当期利益(税法上の所得)の90%超に相当する額を、 分配金 として 投資主 に支払うならば、その 分配金 に相当する額を 法人税法 上の「 経費 」として計上することができると定めている。
例えば、ある 投資法人 の1会計期間(6ヵ月)の 税引前当期利益 (税法上の所得)が100億円、分配金が99億円、 法人税 の税率が40%だったとする。
この場合、 分配金 を 損金 (経費)扱いできるので、 投資法人 が支払うべき 法人税 は(100億円-99億円)×40%=4,000万円となる。その結果、当期純利益は100億円から4,000万円を差し引いた残額、すなわち99億6,000万円となる。
従って、「投資法人の課税の特例」が適用できる場合、「 税引前当期利益 」「 分配金 」「 当期純利益 」がほぼ等しくなるという現象が起きる。上記の例でいえば、 税引前当期利益 は100億円、 分配金 は99億円、 当期純利益 は99億6,000万円とほぼ等しい。
このように「投資法人の課税の特例」の適用を受ける結果として、 投資法人 は所得のほとんどを 投資主 に分配するという役割を担うことになる。このような意味で、 投資法人 は、不動産と投資家との間を橋渡しする「ビークル(乗り物)」であるといわれることがある。